地域密着日本一(2006.10.30)
ファイターズが日本一になった。先週書いた通り、応援していたので非常に喜ばしい。
ファイターズは東京から札幌に移転して3年目。強くなっただけでなく人気も爆発した。中央から地方へ、全国区狙いから地域密着優先に方向転換して成功したのである。
当初は北海道での人気の広がりを懸念する声も少なくなく、「不人気球団の大きな賭け」といった見方もされた。今回のリーグ優勝、日本一の達成にあたり、選手や現場スタッフはもちろん、フロント・経営陣の努力を心から讃えたい。
地域密着は経営の問題でもある。
イーグルスには設立当初から「放映権料よりも球場に繰り返し来てくれる熱心なファン」という基本方針がある。たとえばフルスタの看板スポンサー料は、経営の大きな柱になっているのだ。
1試合1億円と言われる(言われていた)ジャイアンツ戦の放映権料に頼れない(頼れなかった)パ・リーグは、地域の熱狂度を上げることに活路を見出そうと切磋琢磨してきた。仙台に新規参入球団が来ることが決まったとき、それまであまりプロ野球に興味が無かった人の中には「セ・リーグだったら良かったのに」と思った人も多かっただろう。たしかにジャイアンツ戦やタイガース戦は魅力的かもしれない。しかし、まずは自らが魅力的なチームになるよう、また球場に足を運んでくれるよう努力するのが先なのだ。
イーグルスの新規参入に合わせて交流戦がスタートしたことは幸運だった。しかしこれも、パ・リーグ側からの長年にわたる働きかけからようやく実現したという歴史がある。来年からは縮小されるが、パ・リーグファンのためであると同時に、セ・リーグファンにもパのチームやスタジアムの楽しさを知ってもらうエキサイティングなイベントとして続いてほしい。
東京、大阪、名古屋という大都市圏に本拠を置くプロスポーツチームにも、またそれなりの苦労や難しさがあるだろう。既に、大都市圏チームが地域密着チームに学んでの改革も進んでいる。東京ヤクルトスワローズの挑戦も、興味を持って見守っている。
時は流れ、プロ野球は変わる。
中年男性たちがタバコをふかしながら観戦し、コップ酒を片手に罵声を飛ばしていたスタンド風景は、急速に過去のものになろうとしている。私はそうした観客や時代を否定しない。そうした人々もまた、プロ野球に貢献し、選手を育ててきたのだ。そしてプロ野球を、球場を愛していた。
プロ野球はチーム名に企業の名を入れている。マスコミでの略称は日本ハムであり楽天だ。巨人だけが例外だったが、今は読売と表記されることも多くなった。
大リーグは都市名だ。Jリーグも。しかしサッカーでは、ユニフォームの胸に、チーム名ではなく大きくスポンサー名や商品名を入れている。
さらに言えば、たとえばジュビロ磐田の運営法人は株式会社ヤマハフットボールクラブであり、ジェフユナイテッド市原・千葉は株式会社東日本ジェイアール古河サッカークラブだ。前者はヤマハ発動機をはじめとする46社が出資、後者は東日本旅客鉄道と古河電気工業が50%ずつ出資している。
プロ野球にとって「地域密着の先輩」とも言うべきJリーグも、チームの運営形態や歴史はさまざまであり、今も試行錯誤のただ中にあるのだ。
われらがベガルタ仙台の場合、東北電力の社会人チームを母体として設立された。運営会社である東北ハンドレッドの、出資比率の上位は次の通りだ。
宮城県:24.9% 仙台市:23.5% 東日本ハウス(株):8.8%
自治体が会社を作っていいのか、毎年カネを出し続けていいのか、という批判は今もある。東日本ハウスは岩手に本社がある企業だ。チーム名が「ベガルタ東日本ハウス」とかだったらどうなっていただろう。
「地域密着」の過去を知り、現在を考え、未来を探ることは、運営会社だけに任せておいていいことではない。マスコミにも期待したい。そして、できればファンにも。
来週11月8日には、プロバスケットボールチーム仙台89ERSが、今季の開幕戦に臨む。私も2連戦のどちらかには足を運びたいと思っている。
(去年は開幕戦で応援している姿が河北新報にでっかく掲載されてひっくり返りそうになった。だから今年は1戦目は避けるかもしれない…。)
仙台は、1年中プロスポーツを生で楽しめる街になったのだ。
プロスポーツの盛り上がりが、地域のスポーツの振興、スポーツによる地域の振興につながる。
そんなことが可能だろうか。
今の時代に生きる私たちは、その壮大な実験の中にいる。
私は可能だと思うし、そのために何かをしたいと思う。
参加・交流型の、仙台のスポーツ情報サイトを運営したい。そう思ってこの春から準備と研究を進めてきたが、ようやく今日、プロトタイプを公開することができた。
入れ物はできたが、内容の充実はまったくのこれから。正式公開がいつになるかは、まだ分からない。
「イーグルス戦記2006」は今日で終る。
代わって「仙台スポーツプレス」にアクセスし、一緒に育てていただければ幸いだ。コラムの2007年度版が再開される場合も、その中になる。
今季のご愛読、本当にありがとうございました。
仙台スポーツプレス
http://www.md-sendai.com/sports/
ファイターズは東京から札幌に移転して3年目。強くなっただけでなく人気も爆発した。中央から地方へ、全国区狙いから地域密着優先に方向転換して成功したのである。
当初は北海道での人気の広がりを懸念する声も少なくなく、「不人気球団の大きな賭け」といった見方もされた。今回のリーグ優勝、日本一の達成にあたり、選手や現場スタッフはもちろん、フロント・経営陣の努力を心から讃えたい。
地域密着は経営の問題でもある。
イーグルスには設立当初から「放映権料よりも球場に繰り返し来てくれる熱心なファン」という基本方針がある。たとえばフルスタの看板スポンサー料は、経営の大きな柱になっているのだ。
1試合1億円と言われる(言われていた)ジャイアンツ戦の放映権料に頼れない(頼れなかった)パ・リーグは、地域の熱狂度を上げることに活路を見出そうと切磋琢磨してきた。仙台に新規参入球団が来ることが決まったとき、それまであまりプロ野球に興味が無かった人の中には「セ・リーグだったら良かったのに」と思った人も多かっただろう。たしかにジャイアンツ戦やタイガース戦は魅力的かもしれない。しかし、まずは自らが魅力的なチームになるよう、また球場に足を運んでくれるよう努力するのが先なのだ。
イーグルスの新規参入に合わせて交流戦がスタートしたことは幸運だった。しかしこれも、パ・リーグ側からの長年にわたる働きかけからようやく実現したという歴史がある。来年からは縮小されるが、パ・リーグファンのためであると同時に、セ・リーグファンにもパのチームやスタジアムの楽しさを知ってもらうエキサイティングなイベントとして続いてほしい。
東京、大阪、名古屋という大都市圏に本拠を置くプロスポーツチームにも、またそれなりの苦労や難しさがあるだろう。既に、大都市圏チームが地域密着チームに学んでの改革も進んでいる。東京ヤクルトスワローズの挑戦も、興味を持って見守っている。
時は流れ、プロ野球は変わる。
中年男性たちがタバコをふかしながら観戦し、コップ酒を片手に罵声を飛ばしていたスタンド風景は、急速に過去のものになろうとしている。私はそうした観客や時代を否定しない。そうした人々もまた、プロ野球に貢献し、選手を育ててきたのだ。そしてプロ野球を、球場を愛していた。
プロ野球はチーム名に企業の名を入れている。マスコミでの略称は日本ハムであり楽天だ。巨人だけが例外だったが、今は読売と表記されることも多くなった。
大リーグは都市名だ。Jリーグも。しかしサッカーでは、ユニフォームの胸に、チーム名ではなく大きくスポンサー名や商品名を入れている。
さらに言えば、たとえばジュビロ磐田の運営法人は株式会社ヤマハフットボールクラブであり、ジェフユナイテッド市原・千葉は株式会社東日本ジェイアール古河サッカークラブだ。前者はヤマハ発動機をはじめとする46社が出資、後者は東日本旅客鉄道と古河電気工業が50%ずつ出資している。
プロ野球にとって「地域密着の先輩」とも言うべきJリーグも、チームの運営形態や歴史はさまざまであり、今も試行錯誤のただ中にあるのだ。
われらがベガルタ仙台の場合、東北電力の社会人チームを母体として設立された。運営会社である東北ハンドレッドの、出資比率の上位は次の通りだ。
宮城県:24.9% 仙台市:23.5% 東日本ハウス(株):8.8%
自治体が会社を作っていいのか、毎年カネを出し続けていいのか、という批判は今もある。東日本ハウスは岩手に本社がある企業だ。チーム名が「ベガルタ東日本ハウス」とかだったらどうなっていただろう。
「地域密着」の過去を知り、現在を考え、未来を探ることは、運営会社だけに任せておいていいことではない。マスコミにも期待したい。そして、できればファンにも。
来週11月8日には、プロバスケットボールチーム仙台89ERSが、今季の開幕戦に臨む。私も2連戦のどちらかには足を運びたいと思っている。
(去年は開幕戦で応援している姿が河北新報にでっかく掲載されてひっくり返りそうになった。だから今年は1戦目は避けるかもしれない…。)
仙台は、1年中プロスポーツを生で楽しめる街になったのだ。
プロスポーツの盛り上がりが、地域のスポーツの振興、スポーツによる地域の振興につながる。
そんなことが可能だろうか。
今の時代に生きる私たちは、その壮大な実験の中にいる。
私は可能だと思うし、そのために何かをしたいと思う。
参加・交流型の、仙台のスポーツ情報サイトを運営したい。そう思ってこの春から準備と研究を進めてきたが、ようやく今日、プロトタイプを公開することができた。
入れ物はできたが、内容の充実はまったくのこれから。正式公開がいつになるかは、まだ分からない。
「イーグルス戦記2006」は今日で終る。
代わって「仙台スポーツプレス」にアクセスし、一緒に育てていただければ幸いだ。コラムの2007年度版が再開される場合も、その中になる。
今季のご愛読、本当にありがとうございました。
仙台スポーツプレス
http://www.md-sendai.com/sports/
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